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・四角玄能120匁を造る (2)


次にヒツ穴を抜きます。


八角形に成形した素材を炉の中に入れ再加熱します。

程よい温度になったところで取出し、

目打ち金というタガネ様の道具を八角形に成形した素材の中心にあてがい、

機械ハンマーで叩きます。

ヒツ穴抜きには5本の目打ち金を使いますが、

最初に1番目打ち(1番細くて、テーパーも1番きつい)を

材料の5分の3程度の深さまで叩き込みます。

いったん目打ち金を抜いてから材料を裏返し、

先ほどの正反対から1番目打ちを材料の5分の3程度の深さまで叩き込みます。

するとひまわりの種くらいの小さな金属片(目くそ)がぽろりと抜けて、

ヒツ穴が貫通します。

加工中に出る廃材はこの目くそのみとなります。


実はこの1番目打ちを如何に正確に打ち込めるかで、

ヒツ穴抜きの勝負はほぼ付いてしまうので、

玄能造り全般においても最も神経を使うところで、

腕の見せ所ともなります。


その後また炉の中に入れ加熱します。


次に、

1番目打ちより少し太めでテーパーも弱い2番目打ちを使い、

抜いた穴を押し広げていきます。

その後も加熱を繰り返し、

3番目打ち、

4番目打ち、

そして5番目打ちを使い、

ヒツ穴を押し広げるとともに、

全体を目的の寸法と形状に整えていきます。


なお、

5番目打ちは機械ハンマーを使わずに、

小槌を使い人力で叩き込みます。


その後800℃程度まで加熱して、

焼もどしておきます。


以上の作業で注意することは、

工程ごとに再加熱温度を少しずつ下げて作業を進めることです。

そうすることで玄能全体の酸化膜の発生を防ぎ、

唯一火造り後にヤスリ掛けをしないヒツ穴内を清浄に保つことが出来ます。

またそうすることで、

必然的に鋼の組織が整い、

最終的に強い玄能となりますが、

組織を整えるなどと言うと、

科学的に研究された事と捉える人も居ますが、

必要な鍛冶作業を手を抜かずにやれば、

自然とそうなります。
今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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