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 鋼付四角玄能の地金・鋼・火造り品

第五章 玄能・金槌の素材
・鋼付玄能・金槌の材質


鋼付玄能・金槌は、

鉄に鋼を張り付けて作ります。

そうすることで、

胴中(鉄)は軟らかく打撃面(鋼)を硬く作ることが出来、

使用の際には、

その軟らかな胴中が打撃時の衝撃を吸収することで、

使い心地が良くなり、

使用者の手首や肘等への負担を軽減する効果が得られると言われます。


胴中の鉄には、

炭素量の少ない軟らかなものが使われます。

打撃面の鋼には、

炭素量の比較的多いものが使われます。


因みに、

鋼の生産量及び流通量が少なく高価だった時代には、

少量の鋼と安価な鉄地金で出来てしまう鋼付が主流でした。

その後、

昭和30年代以降に鋼の生産量が急拡大し、

鋼が安価になり始めます。

また時を同じくして、

600℃程度まで加熱されても軟らかく成り難い「熱間金型用鋼」が普及し始め、

その熱処理技術も進歩します。

すると、

耐熱性の低い目打ち金を使い軟らかな地金にヒツ穴を明ける事が精一杯だったものが、

熱間金型用鋼を用いた耐熱性に優れた目打ち金の製作使用が可能となり、

硬い鋼にヒツ穴を容易に明けることが可能と成ります。

それにより、

鋼を付ける手間の掛からない、

作業工程上有利な丸鋼玄能・金槌が主流と成っていく訳です。

ただし、

丸鋼は鋼付よりも焼入れが遥かに難しいので、

理想的な焼入れをする為に、

鍛冶屋は大変な苦労をしたようです。



    地金に使用する日本鉄


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今日も読んでいただいて、ありがとうございました。
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